3月 啓蟄(けいちつ) 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
急に春の日和になったと思ったら、突然の大雪、そしてまた暖かくなってきました。イギリスの諺(ことわざ)、March comes in like a lion and goes out like a lamb(3月はライオンのようにやってきて子羊のように去る)のとおり、3月は嵐のようにやってきて穏やかに去っていきます。
最後の暦くらす
今回の第11回暦(こよみ)くらす苔玉づくり体験会は私の地域おこし任期最後の暦くらすでした。山野草の会さんとの共同開催で、飛び入りを含め14名もの方にご参加いただきました。
苔玉とは、小さな寄せ植えを丸くして苔を蒔いたものです。インテリアとして人気のようです。
『山の小さな春を感じよう』というのがテーマだったのですが、東白川村は、遅く春が来る寒村です。山野草の会さんは、まだ雪もちらつく寒い中、苔や小さな植物の芽を山から集めてきてくださいました。そんな山の植物や苔と、南の地域から買ってきた春の花を使って苔玉を作ると、一足早く春がやってきたような雰囲気になりました。山野草の会の方々がテンポよく教えてくださり、皆さんおしゃべりにも花が咲き、最後にふさわしい華やかな会になりました。
2年間の暦くらすを振り返って
令和5年度から取り組んできた『暦くらす』。村の暦の行事を ”残したい人” ”伝えたい人“ ”学びたい人” をつなぐ場として始まり、最初は移住者や移住希望者が多いイベントでした。回を重ねるごとに村の子供、若いお母さん、お年寄りと様々な年代や集落の人々が来てくれるようになりました。
昔は季節ごとに行われていたけれど、だんだんと廃れていった料理や行事。暦くらすとしてやってみると、村の皆さんの懐かしい思い出話や、残していきたいという思いを聞くことができ、なんだかほっとします。
無くなっていってしまったものだと思っていたけれど、本当は、みんなどこか心の片隅に残っているんだなと。
生きるために必要不可欠だったことが、時代が進んで便利になり、無くても生活できるようになっていく。それは、決して悪いことではありません。しかし、忘れ去られていく昔のコトやモノを、『無いと寂しいな』と思う人が少しでもいるなら、続けていく十分な理由になると思います。
今後もこの村で暮らさせていただきながら、細々とこういった活動を続けていければと考えています。11回、無事開催できたことに安堵するとともに、ご協力いただきました皆様に深く感謝申し上げます。2年間本当にありがとうございました。
苔玉とは、小さな寄せ植えを丸くして苔を蒔いたものです。インテリアとして人気のようです。
『山の小さな春を感じよう』というのがテーマだったのですが、東白川村は、遅く春が来る寒村です。山野草の会さんは、まだ雪もちらつく寒い中、苔や小さな植物の芽を山から集めてきてくださいました。そんな山の植物や苔と、南の地域から買ってきた春の花を使って苔玉を作ると、一足早く春がやってきたような雰囲気になりました。山野草の会の方々がテンポよく教えてくださり、皆さんおしゃべりにも花が咲き、最後にふさわしい華やかな会になりました。
2年間の暦くらすを振り返って
令和5年度から取り組んできた『暦くらす』。村の暦の行事を ”残したい人” ”伝えたい人“ ”学びたい人” をつなぐ場として始まり、最初は移住者や移住希望者が多いイベントでした。回を重ねるごとに村の子供、若いお母さん、お年寄りと様々な年代や集落の人々が来てくれるようになりました。
昔は季節ごとに行われていたけれど、だんだんと廃れていった料理や行事。暦くらすとしてやってみると、村の皆さんの懐かしい思い出話や、残していきたいという思いを聞くことができ、なんだかほっとします。
無くなっていってしまったものだと思っていたけれど、本当は、みんなどこか心の片隅に残っているんだなと。
生きるために必要不可欠だったことが、時代が進んで便利になり、無くても生活できるようになっていく。それは、決して悪いことではありません。しかし、忘れ去られていく昔のコトやモノを、『無いと寂しいな』と思う人が少しでもいるなら、続けていく十分な理由になると思います。
今後もこの村で暮らさせていただきながら、細々とこういった活動を続けていければと考えています。11回、無事開催できたことに安堵するとともに、ご協力いただきました皆様に深く感謝申し上げます。2年間本当にありがとうございました。
機織りなど
3月は京都のハレトケ市に出店と、下呂の農家民宿ソラノイエさんでダーニングワークショップをしました。来年度から村で機織りの店を開く予定で、こつこつと準備をしているのですが、実際に人と話しをして、何を求められているのか聞いてみるのは、大切なことだなと感じます。自分のやりたいこと、人から求められることを組み合わせて、できる事からこつこつとやっていこうと思います。
おもしろマップの絵の作成
地域おこし最後の仕事として、村の歴史や伝説、名所を集めたおもしろマップの挿絵を描かせていただきました。
これは30年以上前、今井俊郎村長がまだ役場職員だったころに作られたものなのですが、1色印刷で紙のデータしかありません。
そのため、カラーで絵を描いてデジタルアーカイブで残しておこうという事になりました。
23か所の絵を描いたのですが、描くためにいろいろな村の方に話を聞いたり手伝っていただきました。
ご協力くださった皆さま、ありがとうございました。
これは30年以上前、今井俊郎村長がまだ役場職員だったころに作られたものなのですが、1色印刷で紙のデータしかありません。
そのため、カラーで絵を描いてデジタルアーカイブで残しておこうという事になりました。
23か所の絵を描いたのですが、描くためにいろいろな村の方に話を聞いたり手伝っていただきました。
ご協力くださった皆さま、ありがとうございました。
ごあいさつ
3年間、東白川村で地域おこし協力隊として活動をさせていただきましたが、今月で任期終了となります。本当に色々な事を学ばせていただきました。その中でも、一番大きな変化は「そこにいてもいいんだ」と思えるようになった事だと思います。
人は、ただそこで生きているだけでいいはずなんですが、誰かのためになっているか、存在する価値があるのかを、私はつい、気にしてしまいます。村に移住してきて、みんな優しくて住みやすくていいところだけど、私は何か役に立っているだろうか、居ていいのだろうかとよく考えていました。
お年寄りの話でも、家事等の仕事をしなくなったとたん、ボケたり、亡くなったりする人がいるとよく聞きますが、これは私が抱えていたものと似通っているように感じます。
『市民の日本語』(加藤哲夫 著)という本で、「祭りでは……子供もお年寄りも、いろんな立場の人が何らかの役割を果たすように構造上デザインされている」という言葉があります。
人は何かの役を担うことで、社会の一部であると感じることができます。共同で何かをする、役に立っていると実感する、というのは、他者や地域とのつながりが薄くなっていくと、感じにくくなるのかもしれません。
自分の手で、自分の暮らしを作っていく。社会の一部として地域に関わっていくという事は、そこにいてもいいんだよ、と自分を受け入れていく要素として大きな働きをするような気がします。
自分を、他者を、支えることで、支えられている。
この3年間、たいそうな事はしていませんが、自治会の掃除に参加したり、あいさつをしたり、あいさつをしてもらったり、広報で絵を描いたり、繕い物や織り物を教えたり、そんな、小さな、小さなつながりが、私に居場所を作ってくれた気がします。
その土地で生きるという事は、そういった小さな関わりやつながりを大切にしていく事なのかもしれません。
これまで関わってくださった全ての皆様、本当にありがとうございました。
これからも東白川村に住まわせていただきますので、どうかよろしくお願い致します。
人は、ただそこで生きているだけでいいはずなんですが、誰かのためになっているか、存在する価値があるのかを、私はつい、気にしてしまいます。村に移住してきて、みんな優しくて住みやすくていいところだけど、私は何か役に立っているだろうか、居ていいのだろうかとよく考えていました。
お年寄りの話でも、家事等の仕事をしなくなったとたん、ボケたり、亡くなったりする人がいるとよく聞きますが、これは私が抱えていたものと似通っているように感じます。
『市民の日本語』(加藤哲夫 著)という本で、「祭りでは……子供もお年寄りも、いろんな立場の人が何らかの役割を果たすように構造上デザインされている」という言葉があります。
人は何かの役を担うことで、社会の一部であると感じることができます。共同で何かをする、役に立っていると実感する、というのは、他者や地域とのつながりが薄くなっていくと、感じにくくなるのかもしれません。
自分の手で、自分の暮らしを作っていく。社会の一部として地域に関わっていくという事は、そこにいてもいいんだよ、と自分を受け入れていく要素として大きな働きをするような気がします。
自分を、他者を、支えることで、支えられている。
この3年間、たいそうな事はしていませんが、自治会の掃除に参加したり、あいさつをしたり、あいさつをしてもらったり、広報で絵を描いたり、繕い物や織り物を教えたり、そんな、小さな、小さなつながりが、私に居場所を作ってくれた気がします。
その土地で生きるという事は、そういった小さな関わりやつながりを大切にしていく事なのかもしれません。
これまで関わってくださった全ての皆様、本当にありがとうございました。
これからも東白川村に住まわせていただきますので、どうかよろしくお願い致します。
活動報告書
- 2024/12/31 2024年 12月活動報告書
- 2024/11/30 2024年 11月活動報告書
- 2024/10/31 2024年 10月活動報告書
- 2024/09/30 2024年 9月活動報告書
- 2024/08/31 2024年 8月活動報告書
- 2024/07/31 2024年 7月活動報告書
- 2024/06/30 2024年 6月活動報告書
- 2024/05/31 2024年 5月活動報告書
- 2024/05/11 2024年 4月活動報告書
- 2024/03/29 2024年 3月活動報告書
- 2024/02/29 2024年 2月活動報告書
- 2024/01/31 2024年 1月活動報告書