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河原 知子さんの部屋 | 2024年 7月活動報告書

7月

大暑 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

暑さでふらふらする7月。皆様いかがお過ごしでしょうか。この時期になるとよく目にする、大きな葉の植物があります。私は、ずっと「このとんでもなく巨大な葉は何だろう? 」と思っていました。あまりの巨大さと、空き地や道端に雑草のように生えていて庭木という感じでもないため外来種かと思っていたのですが、最近それが桐の幼木であることが判明しました。桐の成木の葉は10〜20cmですが、幼木の葉は60〜70cmまで成長します。桐といえば、鳳凰(ほうおう)が住むという伝説があるほど高貴な木で、花言葉は高尚。春になると香りのよい美しい紫の花を咲かせ、夏になるとまるくてつんととがった実になる様子はその花言葉にふさわしい優美さでありながら、幼木の葉はあまりにも大きすぎて高貴というより空想の世界から出てきたおばけような印象を受けます。

美しい村づくり委員会

今回の内容は、YOTTEKOYA実行委員会の東白川村がんばる補助金申請、聞き書きのお知らせ、委員の近況報告です。この日の委員会の詳細は広報自治会長配布の『美しい村づくりだより』をご覧ください。

美しい村づくりだより

画像:美しい村づくりだより挿絵「庄屋住宅」

今月の美しい村づくり委員会の絵は役場の隣の庄屋住宅「邦好(くによし)」さんです。私が毎月描かせていただいている「美しい村づくりだより」を見た村の議員の健二さんに「庄屋さんち描いてみたら」と声をかけていただき描いてみることにしました。紙面のバランスの都合上、本物とは間取りやデザインが違うところがありますが、歴史ある古民家の風情を味わっていただければ幸いです。

起業に向けての取り組み

貫頭衣を作るワークショップ開催
八百津の古道具屋susuhamさんにて貫頭衣(かんとうい)を作るワークショップを開催させていただきました。貫頭衣とはおそらく世界で最初の原始的な服で、二枚の反物をつなぎ合わせたらすぐできます。世界中のいろんな民族が着用していて、日本でも縄文時代や弥生時代に着ていたようです。私は趣味でたまに曾祖母の着物をほどいてこの貫頭衣のシャツやワンピースを作っていたのですが、着てみると意外と普通の服です。簡単に着られて着心地も良いので重宝していたところ、欲しいという方や作り方を教えて欲しいとお声がけいただきワークショップを開催する運びとなりました。参加者の方はそれぞれお気に入りの大判のショールや着なくなったワンピース、ブロックプリントの華やかなテキスタイルやきれいな薄紫のガーゼ、妊娠中使っていた腹帯のさらしを植物で染めたもの等を持って来て、それぞれワンピースやシャツを作っていました。ダーニングの時もそうなのですが、自分が好きで小さくやっていた事がこうやって少しずつ広がっていくのは、不思議で幸せなことです。参加者の皆様、主催運営の皆様本当にありがとうございました。
ベビーシッター養成研修
私は前職で保育園の保育補助をさせていただいていたのですが、そのせいか私が開催するワークショップは赤ちゃんを連れたお母さんや保育士さん、お小さい方(3〜10歳くらい)がよくみえます。そのほとんどが前職の知り合いの方というわけではないのがすごいところです。そしてそういった方の多くが「子供向けにこういった手仕事のワークショップをして欲しい」「ベビーシッターをして欲しい」とおっしゃるので、よい機会と思い厚生省が認可しているACSA公益社団法人全国保育サービス協会のベビーシッター養成研修を受けてみました。
前職の時、手仕事の能力(糸紡ぎ、染色、機織りができる)事と、その園出身だったことがご縁で保育の知識も技術もないまま働かせていただいており、皆様に大変ご迷惑をおかけしました。しかし、そういう知識ゼロの状態だからこそ感じたこともたくさんあります。それは何かというと、保育とはきちんとした技術と知識が必要な専門職ということです。ひしひしと痛感いたしました。特に現代は、自分の子供が生まれるまで赤ちゃんに触ったことがない、子供と関わったことがない親御さんが非常に多くなっており、保護者側の保育経験、知識、技術が下がった分保育施設側に大きく負担がかかるようになってしまっています。かくいう私も前々職で子守の仕事をするまで、子供と身近に関わったことがありませんでした。そのため、私は園の負担も親御さんの不安も同じくらい理解できる気がしました。
その時も、今回のベビーシッター養成研修のどちらでも感じたのは、「老若男女、子供のあるなしにかかわらず、保育の知識と技術は全ての人が学ぶべきことなのではないか」ということです。おそらく介護もそうだと思います。来た道、行く道を学ぶ事は人生を学ぶ事につながる。となぜか哲学的になってしまうベビーシッター養成研修でした。

桐の幼木

最初に書いた桐についてですが、実は今まで桐という木に親しみを感じたことはありませんでした。タンスや家紋に用いられるなんだか仰々しい植物だと思っていました。しかし、夏によく見ていたとてつもなく大きな葉を茂らせている木が桐だと知った時、初めて桐に親しみを持ちました。ソツなく整ってツンと澄ましていると思っていた人が、実は奇天烈な一面があったりすると仲良くなれそうな気がしてきます。私は、完璧なものより不完全で風変わりなものに興味を惹かれるのかもしれません。
暑い日が続きますが、皆様お体おいといください。
 

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