12月 冬至 雪下出麦(ゆきくだりてむぎのびる)
朝、窓や車のフロントガラスに、霜を通り越して氷が様々な模様を描く季節になりました。枝状や羽毛状、波状の窓霜(まどしも)を見ていると、学生時代の事を思い出します。私は大学生の頃、染織科にいたため、模様には苦労致しましたが、自然が織りなす模様の美しさを見ていると、人間が無理してもしょうがないよなぁという気がしてきます。
霜が模様を描くほど冷えこむこの時期を、二十四節気で冬至、七十二候で雪下出麦(ゆきくだりてむぎのびる)というそうです。植物のような氷の模様の下で、春が少しずつ芽を出し始めているのかもしれません。
暦くらす
12月9日土曜日、はなのき別館ふれあいホールにて「第4回暦(こよみ)くらす・注連縄(しめなわ)づくり体験会」を開催いたしました。今回の暦くらすには、今までで一番多くの方が参加してくださいました。そして、50%はもともと村に住んでいる方、50%は移住者と移住希望者の方でした。60代以上の参加者の方にお話を聞いてみると、皆さん「注連縄が無くては新年を気持ちよく迎えられない」と思っていらっしゃるようでした。目に見える形の伝統を支えているのは、そういった目に見えない気持ちの継承なんだなぁと、なんだかとてもいいなぁと思いました。今まで自分の家の注連縄を自分で作ってきた方々も、「他の家のやり方を見てみたい」「ひとりで作るより大勢で作った方が楽しい」と言って参加してくださり、とても嬉しかったです。移住者の方は、「伝統的な行事について学びたい」という方が多くいらっしゃいました。今回は、暦くらすの”伝統を伝えたい人、知りたい人をつなぐきっかけづくり”という目標を達成できた会でした。このきっかけが伝統をつないでいく一助になれば幸いです。何はともあれ、みなさんとても真剣に、楽しんで参加してくださって、良い会でした。
美しい村づくりだより作成
第80回美しい村づくり委員会は、3月に行く予定の地域づくり先進地視察の視察地域選定、1月に行う予定の学び合いの会について、「暦くらす」の12月の注連縄づくり体験の報告がありました。いつもは委員会に参加してその内容を書かせていただいているのですが、この日は体調を崩してしまい、後日報告書を見て作成しました。内容は、ほとんど上記の注連縄づくり体験会の報告だったのと、委員会担当の方がいつも丁寧に報告書を作成してくださるので、欠席してしまった委員会のたよりを書くことができました。おかげさまで1月も無事美しい村づくりだよりを読んでいただくことができます。
美しい村づくりだよりは、こうやって委員会の方や、読んでくださる皆様に支えられて毎月かくことができています。本当にありがとうございます。
機織りとその周辺
今月は、ひたすら1月の展示会に向けて機織りや、ワークショップの準備、作品とお茶のサンプル海外発送、古民家で店を開いている方や、古民家を自分で直しながら住んでいらっしゃる方々からお話を聞く等、地域おこし協力隊終了後に向けていろいろな方向に動きました。
私は地域おこし協力隊終了後この村に定住したいと考えているため、小さく自分の田畑をやれないか最近考えています。あんまり重労働や難しい事をやろうとすると、きっと続かないので、簡単にできる農業を調べていたら、自分で育てた野菜でオーガニックレストランをなさっている方に福岡正信さんの『ワラ一本の革命』という本を紹介されました。読んでいたら今まで農業に抱いていたイメージとずいぶん異なり、なんだかとても原始的で面白そうでした。読んでいたら、収穫量や失敗・成功ということを考えず、とりあえず始めてみようと思いました。
古民家の水回りや下水処理、耐震性、費用、業者など「私にできるかな……」と不安に思っていたことが、いろいろな方の話を聞き、調べていくうちに一つ一つ、少しずつ解決策や方法、相談できる人が見つかって、だんだんと、いろんなことに対して「とにかくやってみよう」という気持ちが大きくなってきました。
古民家を買って、直して、そこを家兼工房兼お店にする。家の近くの田畑や茶畑を使って、作物や染料、染色助剤になる植物を育てる。そんな私がやってみたいと思っていることを実践している方々は、しっかり物事を考えていて、意外にも現実主義だな、ということが、お話を伺っていく中でわかってきました。相談に乗ってくださった方々が、「大丈夫だよ。できるよ。」と言ってくださるのが、とても励みになっています。
皆様ありがとうございました。
無理をせず、一つずつやっていこうと思います。