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東白川村の「廃仏毀釈」

十二、ゆかりの仏像仏具

誕生仏
廃仏毀釈当時の所在地 臨済宗妙心寺派
 安泰山 常楽寺
    濃州加茂郡神土村平
    (東白川村神土平)
現所在地 伊藤泰蔵(いとうたいぞう)(元旭光山大蔵寺)(きょっこうざんだいぞうじ)
  岐阜県加茂郡白川町上佐見
形式形状 金銅製
像高 16センチメートル
数量 1体 (花御堂(はなみどう)、盥(たらい)など潅(かん)仏具一式を含む)
銘文 誕生仏そのものには銘がない。
潅仏具を納めた木箱に次のような裏書きがある。
  弘化(こうか)五年戊申(つちのえさる)三月出来 代金 壹両貳分
          當(とう)山十一世自董(じとう)代
   誕生仏及び潅仏具一式
     明治五年申三月
       神土村元常楽寺之鈴ユズリウケ申候也
        当山十三世惠欽代
年代 弘化5年(1848)
作者 不祥
 誕生仏は、釈迦が生まれたとき、右手で天をさし、左手で地をさして「天上天下唯我独尊」と唱えたという姿をかたどった像で、あらわされます。4月8日は釈迦の誕生日です。この日は、釈迦誕生のとき、梵天(ぼんてん)、帝釈(たいしゃく)がくだって、仏の体に甘露を注いで洗ったという故事に基づき、花御堂を作って誕成仏を安置し、甘茶(あまちゃ)(正しくは香を加えた五種の香水(こうずい))を注ぎかけて供養する潅仏会が行われます。

 この誕生仏は、明治3年(1870)の廃物毀釈によって常楽寺の仏像、仏具が処分された折、大蔵寺へ売却されたものですが、木箱の裏書きに、明治5年(1872)「元常楽寺之鈴ユズリウケ申候」とあり、鈴だけは廃仏毀釈から2年後になって大蔵寺に譲り渡されたもののようです。

誕生仏

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