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消防出初め式
消防に従事する者が新年に初めて出揃って、消防活動の決意を新たにする消防出初め式は、東白川村の場合、今は、毎年1月5日から7日ごろまでに行われます。
昔から江戸の火消しの出初めの行事は華やかで有名です。『絵本風俗往来』には「例年正月2日は、江府八百八丁および本所深川の十六組の出初めあり」などと書かれており、勇壮な木遣(きや)りの歌声が響いてくるようです。
東白川村の消防出初め式の歴史は、大正時代の後半、公設東白川村消防組が発足したころに遡(さかのぼ)ります。
初めのころは、カン、カン、カンと鳴る半鐘の音を合図に消防夫が出動しました。股引(ももひき)を穿(は)いて、腹掛けを着け、法被(はっぴ)を着て、頭巾(ずきん)を被(かぶ)るという独特の服装で、竜吐水(りゅうどすい)という木製の手押しポンプを車に載せ綱をつけて引っ張り、纏(まとい)や旗、高張り提灯(ちょうちん)を持ち、鳶口(とびぐち)を巧みに使って梯子(はしご)を担ぎ、会場に駆けつけました。
会場では、汗だくになって手押しポンプをあおり、筒(つつ)先から出る水で、高く吊(つる)された久寿玉(くすだま)を割る競技が行われたり、観衆をひやりとさせる梯子乗りの妙技の披露などがありました。
消防組は、日華事変勃発以後、国の政策により東白川村警防団と名称を変えました。そして、太平洋戦争が終わって、昭和22年からは東白川村消防団となって現在に及んでいます。
当然のことながら、出初め式は様変わりし、現在は厳粛な雰囲気の中で式典が行われ、功労のあった消防団員などの表彰が行われます。また、規律訓練の披露や分列行進などが行われますが、昔のような華やかな部分はなくなりました。