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仕事始め
正月は仕事を休んで、新しい年を祝うものです。こういうめでたいときに、ほんの少し仕事のまねごとをして、仕事を始めたという縁起のよいきっかけを作って置くという習わしがあります。それらは1月2日に行うことが多く、中には多少期日の遅れるものもあります。実際には地域や家によって、その期日も方法も違います。
東白川村の農家に関係した主な「仕事始め」を列記してみます。
屋内作業
- 藁(わら)打ち始め・・・草履(ぞうり)や草鞋(わらじ)を作ったり縄をなったりするための藁を打って、やわらかくします。家によっては草履を1足(いっそく)作ることもあります。
屋外作業
- 鍬初め・・・自分の持ち田のうちの1番よいところを備中(びっちゅう)鍬で少し掘り起こします。この場合、田にマツを立てたり、餅や洗米を供えるところもあります。
- 野辺初め・・・農耕用の牛や馬を田へ出して一回りします。はじめて野良(のら)仕事をさせるのです。 「初荷」「書き初め」「若木迎え」も仕事始めの1つですが別項とします。
年が明けて初めての動作や行動のすべてが「初何々」「何々初め」「何々始め」というわけですが、これには、正月を1年の縮図のように考え、この1年を平和に幸せに過ごしたいという庶民の切実な願いが込められています。