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五月人形
五月人形は、別の名を「武者人形」「五月雛(びな)」ともいって、昔からこれを5月5日の端午の節句に飾る習わしがあります。
飾り方は、普通、3段の飾り棚を用います。一番上の段には、中央に鎧(よろい)、兜(かぶと)などの具足(ぐそく)一式を置き、その左右に弓矢立てと陣太刀(じんたち)立てを置きます。その後ろに屏風(びょうぶ)か幔幕(まんまく)を張り、波に千鳥や鐘馗などを描いた旗指し物、のぼり、吹き流しなどを立てます。中段には、中央に、陣笠(じんがさ)、采配(さいはい)、軍扇(ぐんせん)を置き、その両側に、鐘馗や金太郎などの武者人形を飾ります。下段には、三宝(さんぽう)に載せた菖蒲酒(しょうぶしゅ)とちまき、柏餅(かしわもち)を供え、左右に篝火(かがりび)を焚(た)きます。
これは、標準的な飾り方ですので、道具類や武者人形が揃わない場合は、適宜な飾り方をします。また、5月雛をまったく飾らない家庭もあります。
なお、昔は、源義経、八幡太郎義家、加藤清正、弁慶などの武者人形が伝統的に用いられましたが、近ごろは坂田金時や桃太郎、鐘馗なども、多く飾られるようです。 ちなみに、鐘馗は道教の災難疫病除けの神とされています。