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鯉のぼりと吹き流し
幼い男児のいる家庭では、端午の節句に鯉のぼりや吹き流しを立てます。
東白川村の場合、昭和初期ごろまでは限られた特定の家だけが行っていましたが、太平洋戦争後になって一般に広く普及し、今では、幼い男児のいる家庭で、鯉のぼりや吹き流しを立てないことは、ほとんどありません。
吹き流しは、本来、旗の一種で、幅広の流れ旗の横上(よこがみ)を半月形にたわめ、または輪にして旗竿につけ、風をはらませて長くなびかせるようにしたものです。戦国時代以来、軍陣の標識として用いられてきたものですが、近年は、5色の吹き流しを鯉のぼりに併せて用いるようになりました。
鯉のぼりは、紙または布で鯉の形に作ったものを竿につけて、風になびかせるものです。「鯉の滝のぼり」などといい、鯉は、黄河(こうが)の上流にある竜門(りゅうもん)の滝を遡り、やがて天に上って竜になるという中国の伝説によって、「出世魚」ともいわれ、立身出世の象徴とされて、わが子の出世を願う親心のあらわれとして、これを掲げるようになったといいます。
また、鐘馗(しょうき)などを描いたのぼりを立てることがありますが、その上の部分に小さな鯉をつけたのが、いつの間にか変化して現在のような鯉のぼりになったとする説もあります。
鯉のぼりの付け方は、まず、竿の先に回転球(だま)、または籠玉(かごだま)と矢車をつけ、その下に吹き流し、真鯉(まごい)(お父さん鯉)、緋鯉(ひごい)(お母さん鯉)、そして、子供の鯉の順にします。