カテゴリメニューはこちら

5月の行事

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

端午(たんご)の節句

 端午の節句は、昔の5節句の1つで、本来は陰暦の5月5日ですが、今は、陽暦の5月5日を当てることが多くなっています。「重五(ちょうご)」「重午(ちょうご)」「端陽(たんよう)」ともいい、俗に「菖蒲(ショウブ)の節句」「5月の節句」などいいます。「あやめ」が菖蒲の古名であるところから「あやめの節句」ともいいます。
 端午の節句は、中国の唐の時代(618から907年)に唐文化と共に伝来したものといわれますが、わが国では、もとは長生のための仙薬の材料にする薬草や獣の角をとる日で、古代にはこれを薬猟(くすりがり)といい、飛鳥時代以来、朝廷の重要な行事でした。
 桃の節句を女児の節句とするのに対し、端午の節句は、男児の節句とし、特に男児のいる家庭では盛大に祝います。
 「端午」の「端」は「初」、「午」は「五」の意で、「端午」とは月のはじめの5日のことをいいます。必ずしも5月とは限られていなかったのですが、5月に限定されたのは漢の時代といわれます。「重五」「重午」と呼ぶのは5月5日と、5が重なるところから名付けられたものです。
 東白川村では、この日、悪疫をはらう呪(まじな)いとして、菖蒲、蓬(ヨモギ)、忍冬(ニンドウ)を家の軒にさします。このことを「屋根を葺く」といって、屋根の下から手を伸ばしてさすことを嫌い、わざわざ屋根に上り、下に向かって葺く家庭もあります。
 また、「菖蒲湯」といって、菖蒲、蓬、忍冬を丸めて風呂に入れます。子供たちが菖蒲で鉢巻きをしますが、これは、そのようにすると夏に病気をしないという俗信からです。なんといっても菖蒲の持つ独特の香りの良さが好まれるようです。
 そのほか、女の人が腰に巻くと、蛇体(じゃたい)の子が生まれないという俗信もありました。
 これらの風習は、地方によって多少の違いがあるにせよ、日本全国に分布しています。それは、菖蒲、蓬、忍冬などが、漢方で薬草として用いられることと、菖蒲が「尚武(しょうぶ)」に通じることから、武家時代に縁起ものとされたことなどに由来するようです。
 茅巻(ちまき)や柏餅(かしわもち)、もぐさ餅、朴葉餅(ほおばもち)などをつくる習わしは古くからあり、鯉のぼりや吹き流しを立てる習わし、武者人形を飾る習わしも、近年とみに盛んになってきました。これらについては、別項(次ページ以降)で詳述します。

このページをSNSに共有する

ページの先頭に戻る

文字サイズ

色の変更

閉じる