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土用(どよう)
陰暦で、立春、立夏、立秋、立冬の前それぞれ18日間のことを「土用」といいます。
古代中国の学説に陰陽5行説というのがあります。万物組成の元とされる木・火・土・金・水の5つの元気を四季にあてはめ、春は木、夏は火、秋は金、冬は水としました。すると、土があまるので、四季それぞれ90日あるうちの終わりの5分の1ずつを土にあてたのです。この日数は、正しくは18日と4分の1日になります。
春は清明、夏は小暑、秋は寒露、冬は小寒の後の、各13日目に土用入りとなり、18日で土用が明けて新しい季節が始まります。
したがって、土用は1年に4回あることになりますが、今は、もっぱら夏の土用だけをいうようになりました。
これを陽暦にあてはめると、7月20日または21日から8月7日または8日の立秋までの18日間となり、その最初の日を「土用の入り」と、土用が終わって立秋に入るのを「土用明け」といいます。
昔は、土用のうちに土を犯すことは忌むべきこととされましたので、人が死んでもこの期間は葬儀が行われませんでした。
7月の下旬は、ちょうど梅雨が明けて間もないときですから、湿気をとり、虫をはらうのにうってつけの時期で、衣類や書物、掛け軸などの虫干しをします。昔からこれを「土用干し」といいます。この時期には「土用餅」といって、砂糖入りの餅や餡(あん)入りの餅を食べる地方もあります。鰻(ウナギ)を食べる「土用丑(うし)」もよく知られています。