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山の講(こ)
東白川村の山の講は、もともと集落の人たちが特定の家に集まって山の神(次項で詳述します)の祭りを行うものでした。それは山の神が春、里へ下って田の神となり、秋の収穫が終わってから再び山へ帰ると信じられていたからです。
それがいつの間にか近所の4、5軒の家庭が共同で行う祭りとなりました。祭神は女神ですから、この祭りに女性は直接の参加をしません。
山の講は、春2月と秋11月の2回行われ、春の方が盛大です。いずれも6日の夕方を「夕山(ゆうやま)の講(こ)」といい、翌7日が本番の山の講です。
夕山の講には神前に神酒、油揚、魚などを供え、神事が終わるとそれを下ろして酒宴を張ります。
7日の朝、男たちは未明に起き、小豆飯、味飯などを炊き、魚や青物を携えて山の神の祠(ほこら)などを訪れて、それを供え、男たちだけで酒を汲み交わします。また、神前には、平鍬(ひらぐわ)、唐鍬(とうぐわ)、鶴嘴(つるはし)、備中鍬(びっちゅうぐわ)、鎌(かま)、鋤(すき)、馬鍬(まんが)などの形を木で作ったもの、木で男根をかたどったものなどを供えます。
この日は、山仕事をすると山の神の怒りに触れて怪我(けが)をするとか、山でウサギを見ると死ぬとかの俗信があるので、山仕事は一切致しません。