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【2月】
如月(きさらぎ)・梅月(うめづき)・令月(れいげつ)・麗月(れいげつ)・初花月(はつはなづき)・雪消月(ゆききえづき)・梅見月(うめみづき)・早緑月(さみどりつき)・雁帰月(かりかえりづき)・木芽月(このめづき)・酣春(かんしゅん)・衣更着(きさらぎ)・仲陽(ちゅうよう)・令節(れいせつ)・夾鐘(きょうしょう)・美景(びけい)・仲春(ちゅうしん) (February)
陰暦2月のことを別に「きさらぎ」といいます。「きさらぎ」が用いられた最も古い文献は『日本書紀』で、神武天皇のくだりに「東征5年戊午(つちのえうま)、春ニ月(きさらぎ)、酉朔丁未(とりのついたちひのとひつじのひ)に皇軍が軸艫(じくろ)相接して進撃した」とあります。
「きさらぎ」の語源はいろいろですが、2月は寒さが厳しく、さらに衣を重ね着する時期だというので「衣更着(きさらぎ)」といったのが訛(なま)ったのだと『奥義抄(おうぎしょう)』にあります。また、「着更衣(きさらぎ)」からだとも、「気更期(きさらき)」からだともいいます。
「夾鐘(きょうしょう)」という難しい異名が『古事記』にあります。夾は、草木が生え出てくるという意、鐘は、種子ということだそうです。2月は草木の種が皮を破って姿を現わす時期だというわけです。
東白川村で最も寒い時期は2月の初めごろです。昔はこのころに、よく剣道の寒稽古(げいこ)が行われました。雪の積もった校庭へ裸足(はだし)で出て竹刀(しない)を振るい、感覚のなくなった足を懸命に擦った辛い思い出を持つ人も多いでしょう。梅見月ですが、これは陰暦のこと、春にはまだ早く、梅の開花はもう少し先です。しかし、暦の上では2月19日ごろが雨水(うすい)。凍(い)てついた大地がゆるみ始め、雨が多くなってきます。