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初午(はつうま)
2月最初の午(うま)の日は「初午」といって、稲荷(いなり)神社の祭りが行われます。
稲荷神社の総本山は京都伏見(ふしみ)の伏見稲荷大社で、全国に末社が4万以上あるといいます。東白川村にも各所にまつられています。
稲荷神社は各種産業の守護神として一般の信仰を集め、農家も商家も盛大に祭りをします。祭神は宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)です。朱の鳥居と、稲荷の神の使いとされるキツネは、人々に親しみ深く、キツネの好物の油揚(あぶらげ)が神前に供えてある光景はよく見かけるものです。
さて、東白川村では、昔は蚕を飼う農家が多かったので、初午の祭りは、繭の増産を祈る祭りとしても根付いていました。この日には、米の粉を練って蒸し、繭の形の団子「繭玉」を作り、一升枡(ます)に盛って稲荷神社に供え、それを下ろして甘酒とともに参拝者に振る舞いました。この団子を蒸すときの燃料には、必ず、正月の若木迎えで採ってきた若木を用いました。
今は、繭玉を供えるしきたりだけは残っていますが、養蚕を生業とする農家が少なくなったためか、繭の増産を祈る独特の祭りは見られなくなりました。
ところで、年によって初午が月初めの早い時期にくることがありますが、そういう年は火が早い、つまり火事になりやすいから用心しろという俗信が各地にあります。