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雛飾り
桃の節句の雛人形の飾り方は、昔は、地方によって相違があり、時代によっても変化があって一様ではありませんでした。
雛人形は、もともと女の子の遊び道具であった紙製の人形から、厚紙で人形(ひとがた)を作った上に美しい布切れを貼(は)り付け、中に綿を詰めて高低を付けた押し絵となり、やがて土焼き製の人形ができ、胡粉(ごふん)を塗った飾り雛に進歩するに及んで、次第に普及しました。
江戸時代は武士や一部の商家の間だけで行われていたものですが、明治以後、農村にも広まっていきました。こぼれるほど沢山の雛人形を天秤(てんびん)で担った「雛人形売り」が東白川村にも来ました。子供の初節句に内裏雛を求め、次の年に屏風(びょうぶ)やぼんぼりを揃え、こうして、毎年、数品ずつ増やしていく例も少なくなかったようです。
現在は、ほぼ一定した形で飾られますが、これは大正の終わりごろからだといいます。すなわち、調度品を全部揃えたときは、普通5段飾りとします。その場合の人形は、内裏(だいり)雛、3人官女、5人囃子、随臣(ずいしん)、衛士(えじ)。調度は、屏風(びょうぶ)、桜、橘(たちばな)、ぼんぼり、重箱、たんす、長持(ながもち)、はさみ箱、鏡台、針箱、御膳、菱台(ひしだい)、高杯(たかつき)、三方(さんぽう)、御駕籠(おかご)、御所車(ごしょぐるま)などです。